#38 東洋では神、西洋では悪魔。オオカミの複雑なイメージをたどる〜日本のオオカミ編その3【ミモリラジオ】
東洋では神、西洋では悪魔として扱われたオオカミ🐺 赤ずきんちゃんから魔女狩り、日本の神社信仰まで、文化によってこんなにも違うイメージの歴史を辿ります!
要約
オオカミのイメージについて東西の文化比較を行う。東洋では神として崇拝され、チンギス・ハンやアイヌの伝説では祖先とされる一方、西洋では赤ずきんちゃんや聖書の影響で悪魔視された。中世ヨーロッパでは魔女狩りならぬオオカミ男狩りも発生。日本では豊作祈願の神として祀られ、生類憐みの令で保護された。明治時代まで犬との区別が曖昧だった歴史も紹介。
キーワード
オオカミ信仰 赤ずきんちゃん 魔女狩り 生類憐みの令 東西文化比較 もののけ姫
文字起こし
ミモリラジオ、このポッドキャストは自然界から一つのテーマをピックアップして、その面白さを深掘るトーク番組です。 パーソナリティを伝えます。ミモリのアンディです。 はい、ミモリの野田和樹です。 オオカミ編その3でございます。 前回は、厳しすぎるオオカミの社会について聞いてまいりました。 人間社会を嫌でも重ねてしまうという感じでしたね。 しかもその嫌なところばかりが出てくる感じだったね。世知辛さが。 はい、ということで、今回はどのようなテーマで喋っていくんでしょうか? はい、今回は世界のオオカミのまずイメージについて話していこうかなと思います。 人がオオカミに対して持っていたイメージについて。 これがもうオオカミの運命を左右するので、人間を絶滅させてますからね、各地で。 っていうのからまず、はい、掘り下げていこうかなと思います。 オオカミは世界中に分布しているって話を最初したんだけど、世界中で人間のオオカミに対するイメージっていうのはほんと様々です。 様々なんだ。 例えば、モンゴルのチンギスさんは。 あー、聞いたことがあるよ。 そう、自分の祖先をオオカミにしてたんですよ。 確か青いオオカミと、あとなんだっけ。 鹿。 そうだ。 多分ね、鹿、美しい鹿みたいな感じの末裔っていう風にモンゴル民族は考えてたんですよ。 うんうん、自分たちのことをね。 そう、あとね、アイヌ民族。 北海道の先住民族だね。 はい。 彼らも自分の祖先をオオカミにしていました。 そうなんだ。 これは場所によってもちろん違うんだけど、日高地方、北海道の真ん中辺りだね。 ここではそういう伝承が残っています。 ただ、現在日本も含めて世界に広がっているオオカミのイメージ、ネガティブじゃないですか。 さっきも言ったけど、ネガティブなイメージでいうと赤ずきんちゃんだったりとか、オオカミ男だったりとか、そういうネガティブなイメージがあるんだよね。 この赤ずきんちゃんで、オオカミが人を襲うっていうのがもう世界中にばら撒かれたんですよ。 そうだね。 この世界オオカミ学会の人たちは、このオオカミに対する恐怖心っていうのを赤ずきんちゃんシンドロームっていう風に呼んでます。 そうなんだ。 そんだけやっぱ、赤ずきんちゃん一つで大きく変わっちゃったみたいな感じなんだね。 これはね、すごい世界中にね、そういうオオカミが人を襲うっていうのを広めてるからね。 なるほどね。 最後に話すんだけど、オオカミってほとんど人を襲わないです。 人間から逃げるという逃走本能が発達してるので。 そうか、襲うよりは逃げるんだ。 っていう方が強いね。 逃走本能っていうのも、戦う逃走じゃなくて逃げる逃走の本能ってことでしょ。 このよく赤ずきんちゃんの絵本に黒いオオカミの絵が描かれてるんだけど、ヨーロッパに黒いオオカミがいたことなんて一回もないんですよ。 あれは何なんだろうね。 イメージです。 そうなんだ。 人間の脳内で作り出したオオカミ像だね。 この赤ずきんちゃん以外にも聖書の中に羊と対比した邪悪なオオカミっていうのが出てくるんだよね。 そうなんだ。 パレスティナ地方ではオオカミは常に土地の羊飼いと対立してたんですよ。 聖書の中に旧約聖書だね。 エゼキエル書の中に読み上げると、エルサレムの首長たちは貪欲なオオカミのようである。 彼らはわずかな金儲けのために血を流し、人々を破滅に追い込むからである。 貪欲なオオカミっていうイメージがすでにその時にあったんだね。 牧畜を中心とした世界、聖書を中心とした世界でオオカミは嫌われ者。 羊飼いの天敵だったってことだよね。 家畜という経済動物とオオカミの対立だね。 逆に言うと、羊を飼っていない社会においてはそんな脅威でもないってことだもんね。 それがアイヌだったり、あるいはモンゴルだったりってことだもんね。 牧畜を行っている地域ではオオカミの印象はずっと悪いんだけど、 西暦10世紀にオオカミの撲滅運動がヨーロッパで始まってますね。 この頃は農業の大きな技術革新が起きていて、 ちょっと重いクワが開発されてたりとか、 馬の足に定鉄をつけて、今までよりも農地を広く開拓できるようになったりとか。 ちょっとしたイノベーションが生まれてたんだね。 この時に森林伐採もして、農地も増やして、 農業ができない土地、湿地だね、に家畜が放牧されるっていう。 農地も広がってたし、家畜が飼う放牧地も広がってたっていうのがこの頃なんだけど、 この頃、地球が寒冷化してて、湿地の割合も増えてたので、放牧の面積も広がってたんですよ。 なので、この時代にオオカミと対立した人間たちっていうのがいて、 羊飼いともう一個、イギリスの貴族階級ですね。 貴族階級が趣味のハンティングとして野生動物のウサギ、シカとかを保護してたんだよね。 自分たちが撃ちたいから、ハンティングの領域でってことだよね。 なんだけど、オオカミはシカとかウサギを食べるんですよ。 なので、この貴族vsオオカミっていう構図ができるのね。 この貴族とかはハンターとかを雇って、オオカミはもう一匹残らず殺すぜみたいな。 なんだけど、オオカミは逃げるじゃん。 武器を持たない人間がいる田舎とか、羊が放牧されてる湿地とか、逃げ込むんですよ。 森から逃げ出してそっちの方に行っちゃうんだ。 ここで家畜とかを襲ったりして問題になってます。 この頃に、こういう背景の中で生まれたのがオオカミ少年ですね。 オオカミがいるぞって嘘ついてきた。 地球の寒冷化だったりとか、貴族とオオカミの対立だったりとか。 そういう背景があるんだね。 森林伐採、農業革命とか、こういうのがあったりしますね。 で、あとオオカミ男っていうのもネガティブなイメージを作ってるんだけど、 僕これ全く知らなかったんだけど、魔女狩りの一緒にオオカミ男狩りも行われてたらしい。 そう、アンディ君も知ってそうだけどね。 全然知らなかった。魔女狩りについては結構知ってるけど、オオカミ男狩りは知らないですね。 これ同時並行で行われてて。 やってたんだ。 魔女狩りっていうのは魔女っぽいやつをとにかく吊るし上げて殺そうみたいな集団ヒステリーとして。 火炙りにしたりね。 そうそうそう。 魔女っぽいホクロがあるだけで、異端尋問を受けて殺されるとかね。 なんかちょっとモテてたら異端尋問で殺されるとか。 すごいなんでもよかったんだけど、魔女っぽいやつを殺そうっていうのが中世のヨーロッパなんだけど、 1598年から1600年までの2年間にオオカミ男狩りも行われてます。 かなり短いね。 そう。600人処刑されてます。 殺されすぎじゃない?その短い間に。 で、オオカミ男に認定される例があるんだけど、7人子供がいるとオオカミ男です。性欲強いみたいな。 なるほど。 あと、オオカミの毛皮を着ている。 でも当時じゃ珍しくないでしょ。 珍しくないよね。 そうだよね。 オオカミの脂で作った軟膏が家にあるとか。 自分の脂使ったわけでもないのに。 そう。っていうのがオオカミ男と認定されて、殺されたりしてますね。 それは知らなかった。 そう、で、異端尋問。オオカミ男なのか、お前は魔女なのかっていう人が裁判所で裁かれるんだけど。 裁判所って言っても教会だもんね。 そうそう、当時はね。 カトリックだもんね。 で、このオオカミ男狩りっていうのは人間だけじゃなくて、動物のオオカミを見つかると生け捕りにされて、異端尋問にかけられてます。 裁判をオオカミが受ける。 で、オオカミに弁護士もついてます。 弁護士もつくんだ。 で、弁護士がオオカミを守るんだよね。 弁護するんだね。 弁護する。で、当時は人間、邪悪な人間がオオカミに変身するっていうことが本当に信じられてたんですよ。 そういうことなんだ。 そうそうそう。 元人間として扱われてたんだね。 そう。でも全部の裁判が無罪が言い渡されることなく、始めから死刑、公死刑なんだけど、この魔女狩りとかオオカミ狩りに関する論文の中でこういうことを言ってる人がいて、 始めからオオカミなんてものは存在せずに、魔女と魔術師だけがいて、これらがオオカミの仕業をしているのだっていう論文があったりする。 だから野生のオオカミなんていなくて、人間が変身してるだけっていう。 そうなんだ。でも聖書にはちょっとそういう書かれ方でもなかったもんね。 そうだね。だからオオカミは悪者、魔女みたいなところから飛躍した。 やっぱり一種のヒステリーっぽさがあるね。 だからすごいみんな真実に興味がないんだよね。 というかそれを真実だって信じちゃってるからね。 だからこのようにしてオオカミっていうものは、西洋を中心に悪のシンボルとして、現在までこのイメージはちょっとあると思うんだよね。 中世からスタートした流れなんだね。中世ヨーロッパからスタートした流れなんだね。 っていう流れです。ただ一方、日本ではすごいポジティブなイメージも多くて、 今回オオカミの研究者の人にリサーチを手伝ってもらったんだけど、その中でいろいろ教えてもらいました。 このオオカミ信仰についても教えてもらったんだけど、日本では信仰の対象はもちろん農業繁栄の神として祀られてたりしてたんだよね。 オオカミ神社とか聞いたことがあるな。 オオカミ信仰の聖地としては埼玉県三峰神社っていうのがあったりとか、あと京都に大川神社っていうのがあるね。 ちょっとずれたね。 元々これオオカミ神社だったみたい。 ここは稲荷神社が狐が神の使いとして出てくるように、神の使いはここオオカミなんですよ。 へー。 なので狛犬のところがオオカミになってますね。 ああそうなんだ。ちょっと行ってみたいな。 で、このオオカミ神社とされる神社の周辺には日本オオカミが多くいたんだって実際。 で、鹿とかイノシシが畑を荒らしたときは、そこの周りの農民は偶定類だね。 そうだね。 そう、から自分たちの作物を守ってくれるように。 鹿やイノシシから守ってくれるようにと。 お祈りしてお参りをしてたんだよね。 本当かって思うんだけど、オオカミが絶滅した今、現在でもこのオオカミ神社周辺では畑を荒らすイノシシや鹿の被害がほとんどないらしいです。 へー。不思議だね。 オオカミの毛とかが落ちてて、残りの香りとかで鹿が避けてるのかなって僕は思ったりしたけどね。 日本ではこういうふうに農業繁栄の神として祀られてたんだよね。 なんかヨーロッパとは扱いがほんと真逆だね。 そう真逆。 牧畜羊をとってしまうオオカミと、こっちでは農作物を鹿とかから守ってくれるオオカミっていうそういう対比があるね。 オオカミの護符?魔除けのなんか札みたいなのがあって、これね江戸時代から続く農家の友達が関東にいるんだけど、家にオオカミの護符あったそうです。 そうなんだ、面白いね。 オオカミは農家にとって液状だったので、結構古くから続く農家はそういう護符が貼られてるんだよね。 そうかそうか、人を見ても逃げていくし、人知れず鹿とかをとってくれてたんだね。 日本は他にもポジティブなイメージがあって、これねみんな大好き。小類あわれ実の霊。 つなよしですか。 つなよしなんですよ。日本は世界で初めて動物愛護法を作った国なのね。 江戸時代に出た小類あわれ実の霊っていう一種の法律みたいなもの。 当時の江戸幕府のトップだった徳川つなよしが出した、とにかく動物に優しくしましょうと。 特に犬。 最後は鹿を潰しただけでも刑罰みたいなことがあったりして、そういう法律だったんだけど。 この小類あわれ実の霊、僕知らなかったんだけど、現代歴史家の解釈ではこの小類あわれ実の霊は、 つなよしの周りの僧侶とか鬼闘士が、つなよしが前世に穢れた仏教徒だったっていう風に言って、 それが原因で息子が死んだりとかしてて、その罪滅ぼしとしてやったっていうのは僕初めて知りましたね。 つなよしのお悩み解決手段は、前世にちょっと悪いことをやっちゃっていたから、だから今回犬。犬年だったっていうのもあるんだけど、つなよしが。 守っていきましょうということで、小類あわれ実の霊に至ったって、そういうことだったと思う。 このあわれ実の霊の中で特に応募されたのが犬。国中の犬の登録簿とか作らせてますね。 大変な仕事だよね。 あと巨大な犬小屋を作ってます。何千匹とか入るね。これは狼を含む犬科の動物にも影響があって。 というのは狼とか狐もかな。 狼とか狐も守られたりしてます。徳川実紀っていうのがあって、これがどのように人々が小類あわれ実の霊を守ったのかっていうのが書かれてるんだけど、 1695年の5月、熊とかイノシシとか狼とかが暴れ回ってたんだって。勝ち子を脅かしてたんだけど、この時の役人たちが来て、銃を使わずに棒で追い払ってたらしい。 ああそうなんだ。今の日本にも近いものがあるね。 熊とか狼とかね。 熊はすごいな。大変だな。 で、この動物同士が喧嘩をしてる場合ね。この狼同士がいがみ合ってるとか、アルファ争いでね。その時はどうしてたのかっていうと、そっと双方を引き離したっていう。 優しい。 すごいよね。 すごいね。すごい時代だね。 すごいよね。なんで、日本だと比較的小類、アーレミの霊だったりとか、狼の神社だったりとか、すごいポジティブなイメージが西洋都市があってあるんだよね。 そうだね。 日本人の狼感について話してきたんだけど、日本人はね、明治時代に入るまで犬と狼の区別をほとんどしてなかったんですよ。 ああそうなの? マジついてない。僕たちもさ、犬と狼の違いについて教えてくださいって言われたら、あんま分かんないんだよね。 大きさぐらいしかみんな言えないだろうね。 とか野犬と狼の違いとかね。 それはもっと難しいね。 だからすごいたぶんその名残があって僕らって全然区別できてないんだよね。で、日本狼の誕生は明治時代に入ってからだね。 ちょっとその流れを話しておくと、日本における動物学っていうのが発達したのは本当に1900年ぐらいなんだよね。 明治もちょっと。 この時にまだ頭の中では動物分類学っていうのがそんなに固まってなくて、 この日本狼の出現っていうのは日本独自のものとはなんだろうっていう風に考え出してから生まれた分類方法ですね。 なので日本は20世紀1900年に入るまでは犬科目の動物のことをいろんな呼び方があって、 狼、山犬、野犬、里犬、狩猟犬、五犬。 五犬?漢字で出た後どういう犬だろう? 五犬か。オミキの生育の漁みたいなやつに犬。 お犬っていうことかな。 お犬っていう風に職業的な呼び方だったりとか地域的な解釈で呼んでて、特段分類してなかったんだよね。 なので現在僕たちも混乱の影響を多分それによって受けていて。 この西洋の学問が入ってくると、それから帝国主義に入ると分類されていくんだけど、 近世だね。なんで犬科の分類が混乱してたかっていうと、 本蔵和名っていう918年平安時代に書かれた本があって、 この本は中国の本に載っている薬だったりとか鉱物だったりとか動物っていうのを中国名から和名に付け替えた本なんだよね。 昔の図鑑みたいな感じだよね。 この本蔵和名の中で当時の学者たちが狼に対してね、狼とヤマイヌっていう二つの名前を使用したんだよね。 そうなんだ。ヤマイヌっていうのは狼のイメージと近いなって思ったんだよね。 これは特段区別せずに二つ使ってたんだよ。 ちなみにヤマイヌは中国にはドール族の野生犬がいるんだけど、 中国の本だったので日本に持ってこられてもいるやつなくねみたいな。 ヤマイヌってなんだってなるよね。 そうそう。なのでとりあえず狼に対してヤマイヌっていう言葉も使うようになったんだよね。 そうなんだ。もののけ姫の中で狼みたいな大きい犬たちはヤマイヌって呼ばれてるよ。 だから当時区別してない時代だわ。 すごいね。もののけ姫ね。 でこの平安時代でヤマイヌと狼っていうのが二つ狼に対して使われるんだけど、 17世紀18世紀に入ると日本の学者たちがね、 この中国から持ってきた本蔵和名の分類っていうのは明らかに問題があるよねっていうのが言い出すんですよ。 だいぶ後になってね。 そう。800年くらい経ってるからね。 そうだね。 ここでヤマイヌなのか狼なのかっていう議論が起きます。狼というものはね。 昔は中国の真似しようとしてこういう分類だったんだけど、 多分17世紀18世紀は若干中国との違い。日本の江戸時代入って文化も進んでるからさ。 そうだね。 これもある意味日本式のものを作っていこうっていう流れだったんだよね。 それでもこの時期はまだそんな西洋の分類学が入ってきてないので、分類とは呼べないレベル。 どういうふうに分類してたかっていうと、 ヒトミ・ヒツダイっていう学者がいて、この人は食べれるものは狼。 食べれる?食べてたの? そう、食べれないものはヤマイヌっていうふうに分類してた。 いや、難しいな。どっちも食べられるよね。 そうで、狼は勢力罪としてちょっと流行ってたみたいな。江戸時代そういう一面もあったりして。 あんまり形とか形態で分類しないんだよね。 そうなんだ。食べれる?食べれないだったんだ。 そう。 食べれないってなんだろうね。 そうだよね。 それが不思議。 そうで、このヤマイヌ・狼論争がずっとあるんだけど、 このヤマイヌと狼っていう言葉を別々になんとなく使っていた日本人なんだけど、 長崎県のお医者さんシーボルトがこの狼とヤマイヌの混乱に終止符を打ちます。 オランダの人だよね。 オランダ。 そうだよね。デジマニアってきてた。 シーボルトがファウナーヤポニカっていう日本の動植物の分類カタログを作るんですよ。 この時に狼を狼にします。 ヤマイヌっていう表現を使わなくなるんだよね。 これで日本の有力な動物学者たちがシーボルト先生みたいな感じだから、 日本のヤマイヌが消えて、狼の一種として扱うことになってきます。 統一されるようになったんだね。 この頃から狼がまず一個になって、帝国主義の影響も受けて、 ヨーロッパの狼と日本の狼は違うんじゃないかっていう議論になって、 日本狼っていう種が誕生します。 これは海外におけるナショナリズムを感じさせる動物分類のもう一個具体例があって、 20世紀の初頭、1900年だね、朝鮮狼について日本とイギリスが大激論してるんですよ。 イギリスの科学者は朝鮮狼を中国狼のアシュだっていう風に主張していて、 日本の科学者は朝鮮狼は、 日本の狼のアシュだって言ったの? 日本は朝鮮狼と中国狼は違うっていう風に言ってるんだよ。 当時日本は朝鮮を植民地だったので、 中国狼と朝鮮狼を分けたかったのね。 政治的には朝鮮という土地をイギリスが支配している中国の族国ではないっていう風に持っていきたかったんですよ。 なのでこの当時の科学の分類だったり、議論っていうのは植民地とか政治的な影響がめっちゃあります。 そうだよね。古来の土地は何土やみたいなそういうところもありそうだよね。 そうそうそう。っていうのがこの日本狼の誕生の流れだね。 今回は狼の世界の対する見方っていうのと、日本の狼の見方っていうのについて話してきたんだけど、 次話すのが日本の近代における狼感の変化。 近代における狼の見方が変わっていったっていう、そういう話で。 そう、ずっと崇拝してたのに神社まで作ってね。 将来、アーレミの例もあって、狼を保護してたのに、たった50年ぐらいで日本狼とエゾ狼を絶滅させてます。 明治時代に入って。 なんだか山犬から狼がはっきり分かれて区別されるようになってから、あっという間だった。 あっという間。100年経ってないからね。 そうだよね。 なんで日本人のこの狼に対する態度というものが変化したのか、どういうふうに絶滅まで追い込んできたのかっていうのをちょっと話していきたいと思います。 だんだん現代につながる話になってきました。よろしくお願いします。 はい、お願いします。